2009年09月25日

地籍調査



今回の一般質問では、「景観条例」の他、和歌山市の「地籍調査」について伺いました。平成の現代においても登記所に備え付けられている地図の約半分は、「明治時代」の「地租改正」によって作られた地図、「公図」をもとにしたもので、土地の境界が不明確であったり、測量も不正確であったりする場合もあるのが実態です。

地籍調査の成果によって不動産登記の精度が高まり、その後の「土地取引の円滑化」や「行政の効率化」に役立つことが期待されるとしています。

具体的には、正確な土地の正確な範囲が分からなかったり、隣地との境界争いになることがありますが、地籍調査をしていると土地の境界をめぐるトラブルを未然に防止することに役立ちます。

直川用地等の公共事業におきましても、事業計画の決定や用地買収に時間がかかることがありますが、地籍調査をしていますと土地の「境界確認作業」が簡単にできる為、道路、下水道などの整備の円滑化に役立ちます。

災害復旧の際には土地の境界が分からない為に、復旧に時間がかかることがありますが、地籍調査をしていますと境界の杭の位置は地球上の「座標値」と結びついている為、万一の災害の後でも迅速に復旧に役立ちます。

土地の取引に関しましても、隣地との境界確認に時間がかかったり、登記簿と実測の面積が異なるなど、トラブルの原因にもなることがありますが。地籍調査をしていますと「登記所の地図」と土地の現状が一致し、土地の売買や、「分合筆」などの円滑化に役立ちます。

このように地籍調査のメリットは多方面に渡ると言えるわけですが、和歌山市の地籍調査は平成20年度末での進捗率はわずか「3.25%」。全国平均は「23.6%」、県内9市の平均は「30.8%」、とのことですから、現状は全国的にも、全県的に見ても「恐ろしく低水準」であることが分かります。


※白い部分は手付かず

地籍調査を行う場合、事業費は「国が四分の二」、「県が四分の一」、「市が四分の一」を負担します。この他に「特別交付税」として、「市の負担分に対して80%」もの「キャッシュバック」がありますので、実質、「5%」しか市の負担がないことになります。

和歌山県全体での地籍調査に関する予算は平成21年度で約21億2千万円もあるにも関わらず、和歌山市では「5,015万5,000円」(実質約250万円)しか使用されていません・・・

この市役所全体では日々、地籍調査ができていないことで多くの「予算」と、「人手」と、「時間」が使われています。

道路管理にしましても、道路建設にしましても、下水道にしましても、水道にしましても、用地買収にしましても、固定資産税に関しても、日々の仕事の中で個々に対応しているのが現状ですが、個々でした場合は100%、自前で予算と人の手配をしなければなりません。

そこに費やされる莫大な「予算」、「人」、そして「時間」を考えた際、いかにこの補助金と、特別交付税がある地籍調査が重要且つ、有益なことかは全てを語るまでもありません。



県内においては、既に100%、調査を終えたところもあります。市で一桁は「和歌山市」と「新宮市」だけで、海南市は「47.6%」、岩出市は「75.5%」、紀の川市は「42.5%」の調査を終えています。田辺市の進捗率は「19%」ですが、「地籍調査実施済面積」は県内トップの「175.55平方キロメートル」です。

「補助金」と「特別交付税」により、「実質の負担率が5%」になる中、市の「予算」、「人員」、「時間」、「市民サービスの向上」等、全ての面でメリットがある訳ですから、市は「全力で」地籍調査に取り組むべきです。

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答弁は非常に前向きなご答弁を頂きました。来年度予算からになりますが、市は全力で取り組んで頂きたいと思います。詳細は次々号の報告書にて・・・

  


Posted by atukikokoro at 01:44Comments(0)